15日はオリックスに新加入した朴賛浩が日本デビューを迎えた。
相手は東日本大震災で被災した 仙台市 が本拠地の楽天だ。本来は仙台で戦うゲームのはずだったが、球場が地震で一部壊れてしまい、関西の甲子園球場を借りて戦うことになった。
それにしても3月11日を機に、スポーツ新聞業界もすべての事柄が激変してしまった。編集部内でも「必要なければ」と蛍光灯が取り外され、いたる場所が暗くなった。このように節電が徹底されている。廊下などはほとんど真っ暗にされてしまい、すれ違う人が誰か、すぐには分からないほどになってしまった。
被災地にある新聞用の製紙工場とインク工場が地震で被害を受け、新聞広告もめっきり減った。競馬、競輪などギャンブルスポーツの中止が相次いだこともあって、薄っぺらな新聞を作る日々が続いた。
そして地震によって輸送網が乱れ、それに伴って、締め切りが早くなり、いつも時間に急がされた気分だった。というように、良いことが全くなかった。
それでも12日のプロ野球の開幕でスポーツ紙らしさは徐々に戻ってきた。少しずつ新聞の厚みも増してきた。競馬も東京開催が23日から始まる。
しかし春到来とともにスポーツや娯楽を楽しむ気分は戻っていない。それが今後、夏になっても続くのではという危機感は相変わらず業界全体を覆っている。
そうした中でのプロ野球だが、被災地の復興を願うように、今年は楽天がどれだけ頑張れるかに、話題は集中している感じがある。
95年の阪神大震災でも「がんばろう神戸」を合言葉に当時所属していたイチロー(現マリナーズ)らの活躍があってオリックスはリーグ王者になり、翌年96年は日本一になった。同じことを楽天に期待するムードが業界にもある。ドラマチックな展開を今から待ち望んでいるのだ。
だから、朴賛浩もやりにくいはずだ。相手投手は高校時代、甲子園野球で大活躍した田中将大投手。この2人の投げ合い。朴賛浩はいわば敵役になってしまった。こうしたシチュエーションだから、初戦で負け投手になっても「運のめぐり合わせが悪かった」ぐらいに考えたほうが良さそうだ。楽天を抑え込んだら、それこそ「さすが元メジャーリーガー」となる。いずれにしても朴賛浩は初登板から興味深い舞台に立たされたことになる。(スポーツ紙 覆面デスク)
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