日本のプロ野球は昨年パ・リーグで優勝しながら日本シリーズでは巨人に敗れた北海道日本ハムの巻き返しなるかが注目される。その中で、新年の誓いに「シーズンのフル出場」を立てたのが、昨季は左手小指のケガなどでメンバーから外れる期間が長かった森本稀哲外野手(28)だ。ニックネームは「ひちょり」。 在日コリアンで、父は東京・西日暮里で焼肉店を経営している。名前の韓国語読みがニックネームになっているわけだが、地元・札幌では小さい子からおじいさん、おばあさんまで「ひちょり」の呼び名で定着している。
そして昨年のシーズン半ば、ユニホームの下に着る黒のタートルネックのアンダーシャツに変化があった。首の前面にハングルで「ヒチョリ」と縫い付けたのだ。
これが日本ハム担当記者の間で話題になった。それまでは漢字の「稀哲」だった。ちなみにチームの主砲・稲葉選手は崩したローマ字で「Inaba」。選手からすれば、周りからも見える首元のちょっとしたオシャレなわけだ。
だから森本の在日カミングアウトは記者たちを悩ませた。オールスター戦ではいつも珍妙な格好をする明るい性格のお笑い系。本人は在日であることに、それほどナーバスになっているわけでもないようにも見える。そうでなければ「ひちょり」というニックネームもつかなかったことだろう。でも日本のマスコミは在日
コリアンに関して「デリケートな問題だから」と今も変わらず、積極的に記事にしようとしない。今回もアンダーシャツのハングル文字に関しては全く記事にしなかった。そういえば、森本がスター選手に出世した後、出身に関して本腰を入れた新聞記事を自分のところを含め、読んだ覚えがない。
森本の今回のハングル文字を「たいしたもんだ。10年前なら、まだできなかった」という感想もあれば「韓流スターが今や大人気。時代は変わったのさ」と記者の間では、それなりに議論があったそうだ。
そんな議論を超越したところに森本がいるのは確かだ。今年は3年目を迎える大物・中田翔も森本の定位置レフト(左翼)を狙っているが、ベンチ内外での森本の明るさがチームに勢いをつくっており、レギュラー争いでは間違いなくリードしている。
(在京スポーツ紙・覆面デスク)
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