8年ぶりに主演したドラマ『jin-仁』が2009年のドラマ最高視聴率を記録し、一気にお茶の間スターにカムバックした映画俳優・大沢たかお(42)が5月22日、23日の2日間にわたり、東京・築地本願寺(東京都中央区)で「朗読活劇 一期一会『義経』」に出演し、雨が降りしきるなか4000人の観客とともに800年の歴史を生き生きと表現した。 源義経(みなもとのよしつね) その人物は、日本史上もっとも有名な“悲劇の英雄”のひとりとして知られている。時は、平安時代の末期、天下を握っていたのは平清盛率いる平氏政権。源氏の棟梁の子に生まれた義経は、母と引き離されて鞍馬山に預けられ、その後関東奥羽を転々とする不遇の少年時代を送る。やがて成長し、幾多の輝かしい武功を打ち立て世間に名を馳せるも、慕っていた兄の頼朝に逐われ、非業の死を遂げる。
▲ 大沢たかお 朗読活劇 一期一会 『義経』 ©jpnews/幸田匠 | | 大沢の朗読活劇と吉田兄弟の津軽三味線、井上鑑のシンセサイザー、蟹瀬レナの華麗な舞が織り成す芸術は大雨のなか集ったレインコート姿の観客の胸を感動で大きく揺さぶった。 大沢の『義経』は、その孤独感と無念さと家族への思いを完全に消化し表現しぬいたもの。観る者にあたかも目の前に義経が、800年の時を越えて存在しているかのような錯覚を起こさせるその演技・表現力は若手演技派俳優のなかでも群を抜いている。
▲ 大沢たかお、蟹江レナ 朗読活劇 一期一会 『義経』 ©jpnews/幸田匠 | | 今回、演じるうえでテーマとしたものは“母性”。母親の愛を欲しがった義経という男の物語。 怨みを晴らすとか、単なる復讐劇的なものではなく、あくまでも日本歴史のヒーロー・義経を描いたものだが、同時に孤独のなかで生き抜かざるをえなかった義経の悲哀を描いた物語。義経は最愛の母にも幼きころから引き離され、兄にも国からも裏切られた。 義経の母への兄への声にならない悲痛な叫びを体全体で表現した。
▲ 大沢たかお 朗読活劇 一期一会 『義経』at築地本願寺 ©jpnews/幸田匠 | |
▲ 大沢たかお 朗読活劇 一期一会 『義経』at築地本願寺 ©jpnews/幸田匠 | |
▲ 大沢たかお 朗読活劇 一期一会 『義経』at築地本願寺 ©jpnews/幸田匠 | |
▲ 大沢たかお 朗読活劇 一期一会 『義経』 ©jpnews | |
▲ 大沢たかお 朗読活劇 一期一会 『義経』 ©jpnews/幸田匠 | | 昨年、2009年秋に続き再演となった今回の「義経」。もう一度演じようと思ったきっかけは、とのインタビューに、「朗読と音と舞の三者をもっと深く絡めたかった。また、まだ誰もやっていないことだからこそ『ここまでできるんだ』と完成度をさらに上げて上演したかった。朗読活劇というものをもっとちゃんとした形にしたかった。これからライフワークとしていきたい」と語った。
▲ 大沢たかお 朗読活劇 一期一会 『義経』at築地本願寺 ©jpnews/幸田匠 | |
▲ 大沢たかお 朗読活劇 一期一会 『義経』 ©jpnews/幸田匠 |
▲ 大沢たかお、吉田兄弟 朗読活劇 一期一会 『義経』 ©jpnews/幸田匠 | |
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奈良公演が6月5,6日に薬師寺(奈良県)で行われる。 <朗読活劇とは>朗読活劇とは、単なる“小説の朗読”ではなく、登場人物たちの台詞は観客に語りかけるかのように表現され、舞台から放たれる空気は時に息詰まるような緊張感でもあり、ある時は涙腺を緩ませる優しさである。物語は、語り手自らが要所で芝居を加えたり、同時に音楽や踊りなど様々なパフォーマンスとのコラボレーションを交えたりしながら、ドラマティックに進んでいく。またそのステージとなる場所は、既成概念にとらわれることなく選ばれる。朗読活劇とは演劇でもなくミュージカルでもない、全く新しいジャンルの舞台である。
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