映画『アウトレイジ』の初日舞台挨拶が6月12日に東京都内で行われ、主演のビートたけし(監督・脚本・編集:北野武)が共演の、椎名桔平、加瀬亮、三浦友和、國村隼、杉本哲太、塚本高史、中野英雄、石橋蓮司、小日向文世とともに登壇し、映画のアピールを行った。
▲ 映画『アウトレイジ』初日舞台挨拶 塚本、杉本、國村、三浦、北野、椎名、加瀬、小日向、石橋、中野 ©ドラゴンキッカー | |
出演者はそれぞれ北野作品に臨んだ思いを披歴した。椎名桔平は、観客への感謝の意を述べたあと、初の北野作品となった今作の緊張感あふれる現場の雰囲気を語った。続いて加瀬亮が、感謝の思いを述べ、かなりの緊張のなか演じたこと初日を無事迎えることができほっとしたと感想を語った。 そして三浦友和は、「こんにちは、ズルい役ですいません」と会場の笑いを誘うと、映画を観覧してくれた観客だけに誰が一番ズルく極悪だったかをこっそりネタばらし。初の北野作品で、やりがいのある現場だったと撮影を振り返った。國村隼は、観客への感謝を述べ、北野作品で汚い男を演じれた誇りを語り、続いて杉本哲太が、感謝の意と、緊張と楽しい現場であったことを語った。 次に塚本高史は、最初の方で殺されてしまう残念な役どころであったが「僕も出てたってことを忘れないで」と訴え、北野作品に素晴らしいキャストの方々と出演できて光栄だと語った。
▲ 映画『アウトレイジ』初日舞台挨拶 北野、椎名、加瀬、小日向、石橋、中野 ©ドラゴンキッカー | | 中野秀雄は、初の北野作品。はりきって出かけていったが、素晴らしい俳優陣にうもれてしまったと照れ笑いで映画をアピールすると、続いて石橋蓮司は、是非ご友人にも「なんだバカヤロー」と言いながら映画『アウトレイジ』を広めて欲しいと語った。小日向文世は、感謝の意を述べたあと北野作品に参加できた喜びを感慨深く振り返り、映画『アウトレイジ』大盛況の願いを込めてアピールした。北野監督は、「どうも、ありがとうございました。監督の山田洋次です。」とたけしらしいジョークで会場を笑いの渦にすると、以前はこだわりすぎて興行的に厳しい映画が続き、プロデューサーから客の入る作品をと懇願された。もちろん得意なやくざ映画でと。それでかなりエンターテインメント色の濃い作品になった。キャリアのある役者さんとやってみて良かったことは、何も言わなくても勝手にやってくれたことと撮ってるときには気付かなかった良さが編集段階で発見できたりしたことと語り、演出に関して、「メンバーが全部主役で、全部脇という考えで作った。足りないところはその時々で付け足したりしてたら今度は自分の出番が少なくなっちゃって。じゃあサウナは俺が殺しに行く、とか。あれ本当は椎名さんの役だったんですけど。」と実は椎名のシーンを横取りしてたことを初めて暴露すると椎名は、初めて聞いた、かっこいいと思ってたと残念そう。ベッドシーンの話題になると、椎名は、「6時間かけて入れ墨を描くんですけど、で、さあベッドシーンだと思って、その時監督が入っていらっしゃったので何か指示をくださると思ってどうしようかなってしていると、助監督さんが「監督からです」って来て、「普通にやって」って。「普通にやって」って言われても。困っちゃったんですけどね。まあやりましたけど」とエピソードを語った。
▲ 映画『アウトレイジ』初日舞台挨拶 塚本、杉本、國村、三浦、北野 ©ドラゴンキッカー | | 最後に椎名は「北野組は無駄なテイクを撮らず、研ぎ澄まされた緊張感の中で俳優も緊張感を持って芝居していてそういう緊張感が画面に出てます。北野組に台本はないとよく言われますが、実際はありまして。だけどしょっちゅう変わったりする。例えば僕と加瀬くん、若頭で組長のたけしさんを慕うっていう関係性ですけど、当然加瀬くんも僕を先輩として慕ってくれてると思って入ってたんですよね、途中までは。そしたら途中から何かおかしいな、と思って。そしたら加瀬くんがそういう人になって…みたいな。(本当の現実社会みたいに)いつ変わるか分からない人間関係が渦巻く中でみんなそれぞれ頭悩まして、役を作っていった現場でした。こんな現場他にないと思います。いろんな人に見てもらいたい。」と述べると、続いて加瀬は北野作品を多数観てきたが、小説で言うと行間を読むようなものばかりだった。今回のアウトレイジは行間は全くなく完璧なエンターテイメントとして仕上がっていた。監督の新たな挑戦、是非多くの方に観ていただきたいと語った。出演者らは、一同に「この作品の人物を魂を込めて演じた。興行的に落ち込むと北野監督がもう撮らないと言い出すかも知れないのでヒットさせて欲しい」と挨拶した。 最後に北野監督は、「暴力を除くと一般社会の人間くささを浮き彫りにした作品。あの映画観たらがんが治ったとか言って映画をアピールして欲しい。」と映画『アウトレイジ』初日舞台挨拶を締めくくった。 映画『アウトレイジ』は北野武監督が7年ぶりにメガホンを執った自信作。カンヌ映画祭選出作品。 ‘アウトレイジ’には激怒、乱暴、暴力といった意味合いが。組同士の権力闘争を描いた。山王会本家会長・関内(北村総一朗)の命令には従順に従うが、配下の人間が勝手なことをするのを嫌う山王会池元組組長の池元(國村)。貧乏くじを引くのはいつも、池元組配下にある大友組組長の大友(ビートたけし)だ。たとえ不条理な命令でも、それに従うしかない大友。やがて、その力関係が、ある出来事をきっかけに崩れ始める……というストーリー。 北野監督渾身の作で100万観客を目指す。 映画『アウトレイジ』は丸の内ルーブル(東京都千代田区)ほか全国で大ヒット公開中。
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